以前からシーケンサー付きのシンセやガジェットを集めたいと思っていて、購入予定にあったもののうちの1つがVolca Sampleです。
アナログシンセのフォーマットのSyncやMIDIが使えて、自前のサンプルをiPhoneから流し込めたり、また大手メーカーにしては珍しくGitHubでSDKが公開されており、様々なアプリと連携できるといった点で購入を考えていました。
概観
電池とステレオミニのケーブルが付属していました。 すぐに他のVolcaやiPhoneと接続可能。
乾電池は単3を6本使うようです。別売りのACアダプターを使うことも可能。
全体的な質感は良いですが、Analog Isolatorのつまみが少しぐらぐらします。ちょっと残念。
操作は意外とシンプルで、感覚的に操作することが出来ます。リバーブやリバースの設定は少しわかりづらいかもしれませんが、マニュアルを見ればすぐに覚えることが出来ます。
下部のタッチパネルはただのリボンコントローラーではなく、マルチタッチ対応(?)のようで、同時に押してもちゃんと認識します。大きさも日本人の指先に丁度良い程度ではないでしょうか。でも、ボタンひとつひとつの感触が無く平らなので、間違って隣のボタンを押してしまうことがたまにあります。
逆にこのボタンが全て平らなことによって、端から端までスライドして一度に沢山のパートをミュートにしたり、全てのステップをONにする事が出来るのでかえって良いのかもしれません。
音について
最初から入ってるサンプルは100種類で、
00-09 キック
10-20 スネア
21-29 クラップ
30-42 金物系
43-59 その他パーカッション
60-89 エレピ、ギター、ブラスなど
90-99 声ネタ
という割り当てになっています。
909/808系の音やVengeanceとかにありそうなモダンな音、エレピやアコースティックピアノやギターなど、色々入っています。
声ネタもいろいろあり、 「ドンカマァティック」って喋っているサンプルもあってKORGらしいなって思いました。
また、後述の方法で、iPhoneで録音した音をVolca Sampleに転送したり自前のサンプルを転送することも可能です。
Analog IsolatorのBASS側をカットした時の感じがとても良いです。すぐ回したくなります。
MOTION SEQ
Tempo以外の透明なつまみは、つまみの操作を記録することが出来ます。録音ボタンを押してからつまみを回すと、シーケンサーが1周する間のつまみの操作が記録されます。ピッチをグニョグニョ変えてみたり、パンを回してみたり、ディケイの長さを変えてみたり…。
最初はつまみを回しても記録されない!って思ったのですが、Motion Seq On/Offというボタンがあるのにマニュアルを見てから気づきました。
Sync端子と同期、サンプルの転送
Volcaシリーズや他のEurorackのシンセでもよく見かけるSync In端子は、トリガーとなるパルスが入力されるとシーケンサーのステップを1つ(16分音符1つ分)進めるという仕様になっています。これによって、シーケンサーを搭載した楽器のテンポやタイミングを同期できるようになっています。
ただしVolcaではSwingがあるため、デフォルトではSwingを含めて1回のパルスで2ステップ進めるという仕様になっており、グローバル設定画面から1度に1ステップ進めるか2ステップ進めるかを選べます。
私はスウィング感も同期させたいので1ステップ派です。1ステップのSync InにするとSwingつまみは無効になります。
もちろんMIDIで同期することも出来るのですが、Syncの方がタイミングがタイトで良いという人もい多いです。
また、Sync InにiPhoneのヘッドホン端子を繋ぐことで、iPhoneアプリと同期演奏をしたり、専用のアプリを利用してサンプルの転送を行うことができます。
SyncKontrolは、iOSとVolcaシリーズやmonotribeで同期演奏を行うためのアプリです。最近のアップデートでAbleton Linkに対応し、他のAbleton Link対応アプリやPCとも簡単に同期が取れるようになりました。
Ableton Linkは、ONにするだけで同じネットワークに接続しているデバイス同士でテンポやタイミングが同期されるのでかなり便利です。
また、AudioPocket for Volca Sampleというアプリでは、iPhoneで録音した音やサンプリング素材をVolca Sampleに転送したり、Volca Sampleのメモリーを工場出荷状態にリセットすることも出来ます。
Third Party Apps for volca sample のページには、他にもVolca Sampleにサンプルを転送できるアプリが幾つか紹介されています。
どのアプリもiPhoneの音量を最大にしないとVolca側が認識しないので注意が必要です。そのまま音量を戻すのを忘れて外でiPhoneで音楽を聞こうとするとイヤホンから爆音で音楽が流れて耳が死にます。
KORGは本当に色々なものを作っている会社で、iPhone/iPadアプリも沢山リリースしているので、そういった幅広い分野の開発リソースを別の製品に活かしているのが素晴らしいですね。
microBruteやユーロラックモジュラーなんかと組み合わせて即興演奏を楽しみたいと思います。